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腰痛
 「脊椎・頚部の検査を」 布団は硬め 肥満に注意
【問い】
 58歳の主婦です。右半分のぎっくり腰を48歳のときにしています。いつごろからか、はっきりしませんが、1日中、頭と肩と太ももの内側が痛くて、変にすると、針でつついたように痛みます。頭痛がひどい時は、薬を1日4回飲むこともあります。よくないと思いますが、我慢できません。また、便秘がひどくて薬を飲んでいます。運動のため、週3回プールに行っていますが、症状は一向に治りません。我慢するしか方法はないのでしょうか。(中予)
【答え】
 ぎっくり腰(急性腰痛)とは、急激に発症する強い腰部の痛みに対する総称で、必ずしも腰部に対する急性の大きな外力が誘因であるとは限りません。起床した時とか、立ち上がった時とか、ちょっとしたきっかけで起こることもしばしばあります。
 その主な病因としては、骨、椎間板(ついかんばん)、靭帯(じんたい)、関節、筋、筋膜などの損傷が考えられます。腰痛には当初は急性腰痛で発症し、よくならずに慢性化していくものや、加齢による腰椎や椎間板の変性も加わって慢性化することもあります。

 ご質問の中に、足の太ももを針でチクチク刺したような痛みというのは、神経刺激症状であり、代表的な疾患としては、下肢に放散痛を起こす
腰椎椎間板ヘルニア、間欠性跛行(はこう)(歩行につれて下肢にしびれが生じ、歩行が続けられなくなり腰をかがめて休むと再び歩けるようになる)を起こす腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)や腰椎すべり症があります。

 治療をするうえでまず何が原因であるかを診断しなければなりません。十分な診察をしたうえで、
腰椎のレントゲン検査を行い、さらにMRI(磁気共鳴画像)検査を行えば信頼性の高い外来診断が可能となります。また、ご質問にあるように、頭痛、肩こり、頸部(けいぶ)痛もあるのでしたら、高齢層腰痛患者の多くに腰椎部の異常だけでなく頸椎の障害を伴うことがあるので、頸部の診察も受けた方がよいでしょう。

 治療としては、患者さんの症状と検査結果などから保存療法を行うか、手術療法の適応があるかを患者さんと相談のうえ決めます。今回は保存療法について述べたいと思います。

 
保存療法には
(1)日常生活上の注意
 基本的には腰椎の前わん(腰のそり)をおさえる姿勢をとることが大切です。たとえば就寝の時の注意としては、敷き布団は硬めのものがよく、ひざの下に布団や枕を入れてひざを曲げてあおむけで寝るか、または、ひざを曲げて横向きで寝た方が腰の痛みが少なくなります。一般的な注意としては、肥満を防ぎ、同一姿勢の持続や中腰の姿勢を避けることが大切です。

(2)体操療法
 疼痛(とうつう)が少し軽減してから腹筋と下肢筋の筋力強化と背筋を伸ばし、腰椎の前わんを取り、関節の動きをよくする目的で腰痛体操を行います。プールでの体操もよいのですが、痛みの強いときには平泳ぎやクロールは避け、背泳ぎがよいとされています。

(3)装具療法
 コルセットの装着を行いますが、装着期間としては2〜3ヶ月を目標にして用いるべきで、体幹筋の筋力低下を防止するため可能な限り体操療法と併用した方がよいと思います。

(4)理学療法
 温熱療法や電気治療、牽引(けんいん)療法を行います。

(5)薬物療法
 消炎鎮痛薬、筋弛緩薬(きんちかんやく)、ビタミンB12などの神経賦活薬等を用います。

(6)注射療法
 頑固な痛みに対して圧痛点や椎間関節への注射、神経根注射や硬膜外ブロックなどを行います。

 一言で腰痛といっても、いろいろな原因で起こり、症状もそれぞれの患者さんで異なっています。精密検査を受け、主治医とよく相談して下さい。また、(1)(2)については患者さん自身でできることですから根気よく続けて下さい。

平成11年11月8日付 愛媛新聞「診察室」に掲載
 
 
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